「酵素-R」による花持ち持続の仕組み
花持ちが悪くなる原因のひとつに「腐敗菌の増殖」が挙げられます。切った茎の断面から流出した糖やタンパク質をエサとする腐敗菌が増殖して水の腐敗が進行します。更に、導管(水を吸い上げる管)内部に腐敗菌が侵入して増殖することで、組織の損傷や導管の閉塞を引き起こし、花の劣化を早めてしまいます。
酵素-Rを添加すると、有用微生物が糖やタンパク質を適切に分解し、水の腐敗を抑制します。また水中に腐敗菌が混入した場合でも、有用微生物が腐敗菌の増殖を抑制し、水を清浄な状態に保ちます。このように、腐敗菌の発生を予防し増殖を抑制することにより、水を清浄な状態に保ち花持ちを持続させることが出来ます。
尚、洗剤を利用することで水揚げが良くなるのは、界面活性剤の作用で表面張力が低下して水を吸い上げやすくなる効果に依るところが大きいです。洗剤の添加では腐敗菌は死滅せず、逆に腐敗菌の繁殖を招いてしまいます。
使用タイミングについて
バケツを洗浄後、酵素-Rを適量添加し、水道水を注水してください。また、最初に酵素-Rを添加したバケツに対して、適宜酵素-Rを追加していく方法もあります。花の状態は良いが水が悪くなりかけている(わずかな濁り、わずかな悪臭など)場合に、適量の酵素-Rを追加することで水質の改善が期待できます。ただし、水が著しく悪化した(白濁、悪臭)場合は、バケツの洗浄と水の入れ替えが必要となります。
希釈倍率について
基本的には希釈倍率500倍でご利用ください(10Lに対して20ml)。夏場や水量に対する花の本数が多い場合などは、200~250倍でご利用ください。追加添加する場合は、最初の希釈に使用した時と同量の酵素-Rを添加ください。
保管方法について
高温を避け、温度変化の少ない暗所に保管ください。冷蔵庫での保管が最適ですが、温度変化の少ない場所であれば光を通しにくい箱の中やキャビネットで保管いただけます。
生花売り場での課題
⚫︎頻繁のバケツの洗浄、水替え作業の手間を解消
⚫︎花持ちが良くなることでのコストの削減
切花が劣化する仕組み
①花瓶内での雑菌繁殖
- 切り口から糖やタンパク質が流出
- 流出物を栄養源に雑菌が繁殖
- 繁殖した雑菌が導管内で増殖(切り口から5cm程度)
- 内部組織の破壊、導管の閉塞
②導管への空気侵入
- 茎を切るときに導管に空気が侵入し、水の流れを止める
③栄養分の不足、老化
- 根からの栄養供給が止まり、老化が始まる
④蒸散による水分欠乏
- 葉が大きいと吸水量<蒸散量となり花持ちが悪い